春一番

吹きましたね、春一番。
ぼんやりとした空気に包まれ、体内時計がカチカチと目覚めてきました。
長らくブログを更新しておらず、新年のご挨拶もせずに申し訳ございません。
もうスルーした方が良いのではないかというくらい時が経ってしまいました。
しかし、これだけは言わせてください。
「今年もやりました、ひょっとこ。」
私は3年ほど前に知り合った方からお誘いしてもらい、節分の日に京都の祇園でひょっとこを踊る、という一味?に参加しています。(これもまたわりと前のお話になりますがご愛嬌ということで…)
なぜ節分の日にひょっとこを踊るのかと言いますと、それは節分お化けという行事に由来します。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、節分お化けとは江戸時代頃から昭和初期にかけて行われていた風習で、立春の前の季節の分かれ目、神様が季節の明け渡し等で忙しくバタバタとしておりあの世とこの世をつなぐ境目が不安底になり、わるさをする妖怪が付け入りやすいということで、その日は普段と違った格好をして、鬼をやり過ごそう、といった民間信仰です。いわば和製ハロウィンとのようなものですが、先の大戦中に衰退してしまい、今では主に祇園や北新地の花街に残る、楽しい早春のイベントです。
その日は花街の芸妓さん、舞妓さんたちも男装や、時代衣裳に身を包み、お座敷に上がるようです。実際、節分の日にあの辺りをうろうろすると、新撰組や一休さん、平安貴族などの衣装に身を包んだ芸妓さん、舞妓さんに出会えます。

ひょっとこ踊りとは私のふるさと、宮崎県日向市発祥と言われる踊りです。ひょっとこ、おかめ、きつね、ほうきがお囃子に合わせて、面白おかしく踊ります。小さい子どもも大人のマネをして、腰をふりふり踊ったりして、老若男女楽しめるお祭りです。
毎年、8月の上旬に日向ひょっとこ祭りというのがあり、全国のひょっとこ踊りを愛する人々が集結し、大通りを歩行者天国にして練り歩きます。
ひょっとこのお囃子を聞くとそこはかとなく血湧き肉躍るという、宮崎県民に小さい頃から親しまれているのがひょっとこ踊りです。
祇園のひょっとこ踊りは節分お化けにならって地域を盛り上げようと、八坂神社の氏子さんや祇園でお商売をなさっている方たちが7年前から始めたのがきっかけのようです。なぜひょっとこ踊りかというと、そのイベントを始めた方がユーチューブでたまたまひょっとこ踊りをみかけ、いたく気に入ってくださったのが理由です。

当日は、真面目に阿呆なことをするというコンセプトのもと、白河沿いの辰巳神社を出発し、花見小路、歌舞練場、祇園界隈を3時間程踊り狂います。ひょっとこのお囃子が聞こえると料亭の女将さんと思われる方が嬉しそうにお店から出てきたり、観光客の方が足を止めて見てくれたり、また、一緒に踊る方々が一生懸命踊る姿をみると、自分のふるさとの踊りが京都で愛されて嬉しくなり、心のなかでありがとう、と勝手に感謝をしています。
とてもひょうきんな踊りなのですが、この日のひょっとこは祇園の風情とあいまって、妖しい雰囲気を醸し出しています。ご興味を持っていただきましたら、来年の節分、祇園にお出かけのついでに覗いていただけましたら幸いです。

よほど嬉しいのでしょう、晴れ晴れとした笑顔です。
春、皆様にたくさんの福が舞い込んできますよう、心よりお祈り申し上げます。
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